【AI開発企業が解説】飲食業界のAI活用メリットと事例4選。
近年大手ファミレスでも配膳ロボットやキャッシュレス決済が導入され、飲食業界のDXが進んでいます。またコロナ禍を経験し、店内混雑状況を可視化する、来店客数をカウントするなどのAIの活用も見られています。
この記事では画像認識AIを飲食店に導入するメリットやデメリット、事例を紹介します。最後までお読み頂くことで飲食店にAIを導入することによる未来を垣間見ることができるでしょう。
AIが飲食店業界で注目を集める理由
AIが飲食店業界で注目を集める理由の1つには「飲食業界の労働生産性の低さ」が挙げられるでしょう。2022年「中小企業白書」を見ても、各業界において宿泊業、飲食サービスの労働生産性は最も低い数値となっています。
画像引用:2022年「中小企業白書」より
飲食店業界の労働生産性が良くない理由には以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 過剰サービスの提供
- 競合争いが激しく価格競争に陥っている
- 付加価値を付ける取り組み
上記以外にも「飲食」という特性上、1日の中でも混む時間帯と空いている時間帯に極端に差があることも原因の1つと考えられます。 こうした労働生産性を向上させるために必要なことが「情報」です。
- 何時の時間帯が混みやすいのか
- 来店客層はどんな世代が多く、何を注文しているのか
- お客さん1人当たりの滞在時間はどのくらいか
- 1日何人のお客さんがどの時間帯にどれくらい来店しているのか
これらの情報が分かることで例えば、仕入れ量を調整することや配置するスタッフの数を変更する、新メニューを考案するという施策を打つことができます。 しかし、普段店内で働いているスタッフがこれらの情報を自力で集めるのは現実的ではありません。そこで登場するのが「AI」です。
AIカメラを飲食店に導入するメリット
AIを飲食店に導入することで以下のようなメリットが得られます。
- 人件費の削減
- 従業員の負担軽減
- スタッフ教育の効率化
- 来客数/属性の分析とマーケティング
- 防犯対策
- 顧客満足度の向上
店内または店の前に設置したカメラを用いて対象物を検知し、様々な分析が可能となることで売上UPや業務効率化、経費削減に役立てることが可能です。
飲食店にAIが導入される主な例を紹介しながら、上記のメリットについて解説します。
スタッフ教育の効率化
飲食店で新たなスタッフを雇った場合、店内で長く勤務する熟練スタッフが指導役として継続的な研修を行うことが一般的です。
しかし、繁忙期になり忙しくなると十分な研修を行う時間が無くなってしまいます。それにより「新人スタッフがミスをする」、「行うべき業務が見つからず立ち往生してしまう」といった事態に発展する可能性があります。
例えば店舗内にカメラを設置し、熟練スタッフの骨格認識や視線向き、ヘッドポーズの検知を行うことができれば、新たな研修プログラムを作成することができます。
研修プログラムができれば、熟練スタッフが付きっきりで手取り足取り教える必要はなく、新人スタッフが希望する時に自分自身で研修を行うことができます。
また、例えば接客対応やレジ業務などのトレーニング中に熟練スタッフの動きと異なる点があれば、AIからフィードバックを返すことで新人スタッフは継続的に改善点を把握することができるでしょう。
上記のようにAIの導入で、より効率的で正確なトレーニングが可能になります。
顧客分析によるマーケティングへの活用
AIを導入したカメラを設置することで「人数、性別、年齢層、訪問時間、滞在時間」などを自動的に分析することができます。これより、店舗の来客状況や顧客属性を詳細に把握でき、マーケティングに活用できます。
例えば、女性の来店率が男性より高い場合や特定の年齢層の顧客が多い場合、その層に合わせた商品開発やキャンペーンを行うことができます。
また、来店時間帯が明確になることで、忙しい時間帯や混雑しやすい時間帯なども確認でき、スタッフの調整やテーブルの配置などに活かすことも可能になります。
これらの情報が分かれば「新商品の開発」に役立てることもできるでしょう。
例えば、女性に人気の高いメニューや、若年層に好まれる店舗の雰囲気、食事スタイルなどが明確になれば、新商品の開発・提供にもつなげることができます。
これまではPOSレジの情報から「どのメニューがどれくらい売れたか?」程度しか分かりませんでした。しかし、AIの導入により「どのメニューがどの時間帯に、どんな客層に、どんな場面で、どれくらい売れたか?」が分かるようになります。
顧客層の食事スタイルが分かれば、共通の料理を注文する場合が多いグループにはオススメメニューや新たなセットメニューを提供しても良いでしょう。
席情報の管理による店内広告の最適化
飲食店がAIカメラを導入する主なメリットには、席情報の管理による店内広告の最適化があります。具体的には、AIカメラが取得した席情報や顧客データを解析し、それを利用して店内の広告や販促活動を最適化することが可能です。
例えば、どの席が混雑しているか、どの席に人気があるか、顧客の年齢層、性別、席ごとの滞在時間なども把握することができます。このようなデータを分析することで、店内広告や販促活動をより的確にすることや店内レイアウトの配置変更による顧客回転率の向上も考えられます。
例えば、混雑している席付近での販促活動や、人気のある席での新商品のプロモーションなど、席情報を活用した施策を展開することができます。
奥の席はファミリー層が座ることが多いが、ファミリー層の来店者は1か月に30組程度しか来ない → 席の間隔を空けて回転率を重視したレイアウトに変更するなどの施策が取れます。
防犯対策
飲食店にAIカメラを導入することで、防犯対策が効果的に行えるようになります。
防犯対策というと例えば、強盗や窃盗などの犯罪行為が挙げられます。これらは異常行動としてAIに認識されることで可能になります。
また近年では上記のような犯罪対策のみならず、顧客による迷惑行為や店員による店舗そのもののブランドイメージを損ねる行為がSNS上に投稿されるなどの問題行為も見られます。
本来であればSNS上に投稿される前に事前に予防策を取っておきたいのが本音なはずです。
AIに事前に異常行為(人が冷蔵庫に入る、レジスターの不正操作を行っている等)を学習させておけば事前に防止することができるでしょう。
まとめ
飲食業界にAIカメラが導入されることにより、生産性や業務効率が上がり、消費者側の満足が向上することでしょう。近年では日本でもDX推進が図られていることから、飲食業界にAIカメラが導入されることも遠くない未来になることでしょう。
しかし現状ではひとくちにAIカメラを導入すると言っても超えらなければならないハードル(デメリット)があります。
- 購入コストが高い
- 支払ったコストに見合うかが分からない
- 本当にやりたいことが既存のAIカメラでは不可能
今回挙げた事例のように、AIで出来ることは多くありますが実際にやりたいと考えても、新たにAIカメラを導入するコストやそもそもAIカメラに欲しい機能が備わっていないケースが考えられます。
エッジAI開発ならあらゆるニーズに対応可能
弊社事業の1つでもある「AI開発」なら飲食業界のあらゆる画像解析ニーズにも対応致します。新たにAIカメラを導入する必要はなく、ネットワークカメラにエッジと呼ばれる端末を装着することでAIカメラ化することが可能です。
AI自体はアルゴリズムから開発するため、お客様の要望に合わせたAIをカスタマイズ開発することが可能です。
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